第十二回「日本思想文化研究」優秀論文コンクールの結果発表
神道国際学会と浙江省中日関係史学会と共催している中国語の「日本思想文化研究」優秀論文コンクールが、2010年には12回目を迎えたことになった。今回の応募者は20数名に達し、中国大学の若手研究者がメインメンバーだったが、日本大学在籍の中国人博士コースと国内修士課程の学生も応募してくれ、中国における日本研究の後継者が成長している現状の一端をうかがい、とてもありがたく存じる。
コンクール審査は予選と決勝戦を通して、次の11本の作品が選ばれ、その中で、二等賞は2本、三等奨が3本、優秀賞は6本という結果になっている。今回の審査委員が北京大学と復旦大学の先生にお願いして、かなり厳しそうな審査であった。
そして、7月25日に第五回「日本歴史文化高級講習班」の開幕式にあわせ、第十二回「日本思想文化研究」優秀論文コンクールの授賞式が、杭州にて行われた。受賞者代表のほかに、多くの人々も授賞式に参加した。浙江省中日関係史学会副会長の陳小法氏がコンクール実行の経過を説明し、審査結果を発表した。実行委員会主任である王勇教授が受賞者代表に賞状と賞金を贈呈し、景徳鎮陶磁学院の教師王麗氏が受賞代表として感想を語った。授賞式は参加者の大きな拍手で幕を下ろした。
陳小法氏が審査結果発表中
王勇教授と受賞者代表
授賞式の参加者
第十二回「日本思想文化優秀論文」コンクール審査結果
名前 |
論文名 |
所属 |
等級 |
董科 |
奈良時代における疫病流行の分布研究及び成因探求 |
日本関西大学博士コース |
二等 |
高婙 |
森歐外の書いた日本明治時期の西洋音楽である『紫藤花架』の中の音楽会情景 |
北京語言大学外国語学院日本語学科 |
二等 |
呉春燕 |
中岩文学の道家思想 |
広東工業大学外国語学院 |
三等 |
張新朋 |
日本所蔵中国宋元以後の禅僧頂相の調査研究 |
浙江工商大学東亞文化研究院 |
三等 |
張維薇 |
『教行信徴』著旨の再考察 |
広東外語外貿大学博士コース |
三等 |
陳馨 |
松尾芭蕉自然観的変遷再探——原典解析の視点から |
広東外語外貿大学博士コース |
優秀 |
施敏潔 |
中日習俗からみた海神信仰 |
浙江万里学院外国語学院日本語学科 |
優秀 |
寿舒舒 |
日本における元朝刊本『図絵宝鑑』の受容 |
浙江経貿職業技術学院 |
優秀 |
王麗 |
漢詩『懐風藻』における「詩賦外交」思想のテキスト学解読 |
景徳鎮陶瓷学院外国語学院 |
優秀 |
呉賽華 |
図像日本——民国『良友』画報の中の日本イメージ |
浙江工商大学修士コース |
優秀 |
張博 |
二宮尊徳が儒学に対する改造と吸收 |
南開大学日本研究院博士コース |
優秀 |
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